Beyond The Black
ドイツの新進気鋭のシンフォニックメタルバンド。
2014年デビューながら既にWACKENにも出演している。
楽曲の多くは外部のライターが書いていたり、ヴォーカル以外のメンバーの入れ替えがあったりで、ヴォーカル主軸のプロジェクトバンド的な感じだろうか。
このバンドにおいて特筆すべきは、Jennifer Habenの見事な歌唱力と、それと絶妙にマッチングした楽曲だろう。
ヴォーカルのJennifer Habenについて中心に書きたいと思う。
インターネットでわかる彼女の音楽遍歴はガールズポップバンドに所属していたということくらいだが、その実力は、メタル畑に突如として現れた期待の新星ヴォーカリストと言っても大袈裟ではない。ヘヴィメタルの演奏に負けない、芯のある声でありながら、力強さ一辺倒というわけではない、抑揚のうまくつけた歌い方をしている様に感じる。
あくまで動画で見た、という前置きをしておくが、ライブでの立ち振る舞いも、21歳という年齢を感じさせない堂々ともので、余裕さえ感じさせる。また、整った顔立ちでビジュアルも良い。歌っているときに時折見せる笑みも可愛らしい。
様々な魅力を兼ね備えた彼女とバンドは、これからの活躍が楽しみ。
楽曲についてだが、シンフォニックメタルというとクワイアやストリングスを導入したアレンジ、オペラっぽい歌唱法のハイトーンなヴォーカルというイメージが個人的には強いが、あまり大仰になりすぎない、サラッとした聴き心地の楽曲が多いと感じた。しかし、決して薄味というわけではなく、しっかりとした聴き応えはある。
自分のようなパワーメタル好きにはちょうど塩梅のいい、しっくりくる曲が多いと思った。なので、大仰なコテコテシンフォニックが苦手な方も聴いてみてもいいかもしれない。
疾走したような曲はそこまで多くない。ヴォーカルの声質をじっくり聴かせるようなミドルテンポな曲のが多いかなぁと。
セカンドアルバム Lost in Foeverの日本盤が出るということで、日本での知名度をこれをきっかけに上げてほしい。